優勝は、プラス思考での意識改革の成果。更に気を引き締め、個々の目的地であるNPBを目指す!  徳島インディゴソックス

広尾晃

前期優勝の記念撮影


四国アイランドリーグplus、2017年前期シーズンは、徳島インディゴソックスが21勝9敗4引き分け、勝率.700で、2位高知ファイティングドッグスに4ゲーム差をつけて優勝した。
徳島インディゴソックスは、2016年前期は2位、後期は最下位、前後期通算で2位となって、チャンピオンシップに進出したが、愛媛マンダリンパイレーツに敗れていた。
オフに中島輝士監督が韓国、ハンファイーグルスの打撃コーチに招聘されたため、チームは後任監督を策定することなり、養父鐡監督を招聘した。

 

国際経験も豊かな養父鐡監督を招聘


養父鐡氏は、神奈川県鎌倉市出身、帝京第三高等学校、亜細亜大学を通じて投手として活躍。日産自動車を経て2001年に台湾の兄弟エレファンツへ、翌年には福岡ダイエーホークスに入団。さらに米シカゴ・ホワイトソックス傘下のマイナーチームではノーヒットノーランを記録するなど活躍したがMLBには惜しくも昇格ならず、米独立リーグのニューアーク・ベアーズを経て、兄弟エレファンツで再びプレー、引退後は指導者として中信兄弟の投手コーチなどを務めた。

2016年から球団社長になった南啓介代表取締役は、今回の監督人事について、
「ネームバリュー、プロ野球でのキャリアが豊富である等の要素も大事ですが、徳島球団としては社会人の経験があること、選手と一緒に体が動かせること、そしてマネジメントができること(社会性も教えられること)を大事にしている為、我々の意図を理解してくださった養父鐡氏に、監督をお願いしました。養父監督は社会人、NPB、海外で野球をしてこられた上に、神奈川でベースボールスクールを経営されていますし、経営者の感覚も持っておられたことがオファーをした要因です」
とその経緯を語る。
 

養父鐡監督


養父監督は、就任時に一定の手ごたえを感じていたという。
「去年後期は、最下位でした(前後期通算では2位)。中島輝士監督が退任されて、僕が就任したのですが、シーズン前に見た時は、打線は破壊力があってすごく強いと思った。
でもドラフトで軸となる投手二人(福永春吾 阪神6位、木下雄介 中日 育成1位)が指名されたために、見えなかった。
そこで去年、力はあったのにドラフトにかからなかった松本憲明を軸にして、新しい選手も入れて立て直したんです。それがうまくいった感じですね。
でも、一番大きな要因は、僕と一緒に入ってきた鈴木康友コーチと、去年からいた駒居鉄平コーチのチームワークが良かったことではないでしょうか。鈴木コーチが50代、僕が40代、駒居コーチが30代と世代は違いますが、監督、コーチの和ができて、いい空気になっていたから優勝したのではないかと思います」
 

当然の努力の積み重ねで、得た勝利


南社長は就任以来、チームの強化を断行してきた。

「就任してから、フロントとして選手を積極的にスカウトしました。これまではトライアウトなどで応募してきた選手を獲得していましたが、球団として一緒にやりたい選手にはスカウトするようにしました。
結果チームの実力は、上がったと思います。
勝ちに飢えている選手、NPBを本気で目指したい選手に集まってもらったので優勝への気持ちは他球団よりは勝っていると思っておりました。
優勝はできるという気持ちは当然持っていました。
その分、チーム内では優れた選手が多く、尚且つ気持ちの熱い選手が増えた為、競争は激化しました。
独立リーグには、選手の養成という目的もありますが、選手は競い合ってこそ上手くなると思っています。
競争の中でも優勝に導いてくれたのは監督、コーチ、トレーナー、選手が一体になったのが大きいですね。
また、昨年から球団のオーナー会社の一つに参画して頂いた「(株)あしたのチーム」の協力もあり、人事評価制度を導入しています。この評価制度によって個々人が目標設定をし、野球面以外の社会性も身につけてきております。
野球人として、社会人としての両立を成し遂げるチーム作りには時間はかかりますが、引き続き行います」

 

南啓介代表取締役


現状のチーム力を養父監督は冷静に見つめている。

「ここにいる選手は、ずば抜けた子は少ないですね。途中で野球をやめたり、いろんな事情を持っていたりする選手も多い。そういう選手たちに、いかにやる気を出させるか、を考えていました。監督というよりマネジメントに近いかもしれません。
基本的にはプレーをするのは選手たちなので、言うべきことがあれば、上から押し付けるのではなく、選手に歩み寄りました。がんと押さえつけるようなことは僕はしません。
私自身は、そういう指導法も経験してきましたが、そういう形でできるようになっても、選手のためになるのかな、と疑問を持っています。
プレーしているのは君たち、君たちが自分で考えるべき。そういう意味も込めて、今年のスローガンを『プロフェッショナリズム』にしたんです。
プロとは自分たちで考えてプレーできる選手のこと。自分で行動が起こせて、結果が出せて、尚且つお客さんが喜べるようになるのが一番です。
去年活躍できていなかった投手が、何人か、今年はいい防御率を残せるようになった。キャンプ中からいろいろ話をして、すごく成長が感じられた3か月でした」

また、養父鐡監督は、従来のチームのスタイルも変えた。

「僕は、従来のスタイルは一切変えました。僕のやり方にさせてもらいました。
鈴木康友コーチも「監督に好きなようになさってください」と言ってくださったし、いろいろ見直しました。球場ではがんがん音楽をかけたし、今までやっていないことをやりました。選手はやりやすくなったのではないでしょうか。
今の徳島は明るいし、みんな元気でしょ?プラス思考になるような枠組み作りをしたんです。
僕自身が今も現役の経営者です。今も神奈川県で野球のスクール(Roots Baseball Academy 養父鉄野球塾)も運営しています。
日本の監督は何か偉い人のような感じ、ボスみたいですが、海外では監督は偉いわけじゃない。英訳すればマネージャーですから。
選手に方向性を与え、動機付けはしますがやってるのはお前たちだから、自分で考えて自分で動けないとプロには行けないよ、そういうことですね」
 

前期の試合風景

 

しかし、南社長は問題点も指摘する。

「道半ばですが、選手の意識が野球以外の事においてはまだ物足りなさを感じています。
大好きな野球でNPBに行く為に必要な要素が日常生活にも詰まっており、全てが繋がっている事にまだ気付けていないと言った方が正しいですかね。

お客様を呼べる選手=お金を払う価値がある選手にいち早くなって欲しいです。
これからNPBを目指す選手達が気付けていないのは問題ですが、ここは選手も動いてくれていますので、これからに期待ですね。

成長してもらう為にチームとしては、オフにはスポンサー企業を回るなど、野球以外の活動も積極的に経験してもらうつもりです。どこまでやれるかはある程度選手に任せます。考える事、行動する事によって選手の意識に変化が起こる事を期待しています」

 

試合前のスタンドでは、シートを拭く選手の姿が見られた。これも意識の変化の表れだろう。


後期に向けて養父鐡監督はアドバンテージを感じている。

「僕にとって、徳島はほとんどなじみがない土地です。
野球好きな人はたくさんいるんでしょうが、お客さんはあまり来てくれないですね。社会人野球が衰退している中、独立リーグの存在意義は大きくなっていると思うのですが、少し残念です。
徳島インディゴソックスは、他の3球団と比べても球場や練習設備など、環境的には良くないと思います。
でも、不満を言っても仕方がない。その中で優勝でもしない限り人は、注目してくれません。人も来てくれませんし、話も聞いてくれません。
じゃ勝とうよ、ということで頑張って結果を出したわけです。

前期優勝したことで、チャンピオンシップ出場の切符は手にしたわけですから、後期は思い切ったこともしてみたい。
これまで投げていなかった投手を先発させたり、打順を代えたり。そういう形で、チームのポテンシャルを上げていきたいですね」
南社長は、気を引き締める。

「優勝したと言っても、フルシーズンではなくて前期です。それに上を目指すべき独立リーグでの優勝です。
優勝翌日から次へのチャレンジがスタートしています。
選手が勘違いしないように、慢心せず、シーズン通じて一生懸命努力をし、プレーをしてほしい。そして一人でも多くドラフト指名を勝ち取ってほしいですね。

マネジメントをする立場としては、地元と選手の接触数が少ないのが気になっています。お客さんと選手の距離を縮めて、少しでも多くのお客さんに来場してもらいたいですね」

 

前期優勝記念Tシャツが固い決意を物語っている


 

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