【前編】「個性値を伸ばす」 ~日の出から世界へ、亜細亜大学庭球部を取材~

Spportunityコラム編集部

名門・亜細亜大学公式庭球部

亜細亜大学公式庭球部。1961年創部、東学生テニスリーグの1部6位、女子は1部2位の強豪校だ。過去にプロテニスプレイヤーも排出した本校だが、国際大会を開催していることはご存知だろうか?

(共に大学3年生の志賀さん:左、伊達さん:右)
 
 

亜細亜大学国際オープンテニス


http://auopen.asia-tennis.com/
 
亜細亜大学国際オープンテニスとは、大会構成のピラミットの中の一番ボトムに位置するフューチャーズ・サーキット大会である。錦織圭や大阪なおみが奮闘するグランドスラムの「登竜門」としての位置づけにふさわしい、列記とした国際大会である。つまり、亜細亜大学庭球部の学生は、プレイヤーとしてだけではなく大会主催者としても活躍する学生である。
東京都西多摩郡日の出町から世界への登竜門を作る亜細亜大学庭球部とは、そしてその学生とはどんな人物なのか、将来の夢は?
 
今回は、”日の出から世界へ” 日本テニス界を支える国際大会を主催する彼らに、話を伺った。
 

亜細亜大学庭球部の活動

――本日は、よろしくお願いします。まずは、簡単に自己紹介をお願いします――
 
志賀さん:経済学部3年生の志賀隼です!一般入試で入学しました。3年生の7月まで選手。それからは、部活を裏から支えるマネージャーに転身しました
 
――男性の方でマネージャーというのは珍しいのではないですか?――
 
そうですね。ただ、今はそもそもマネージャ-が僕しかいません
 
――伊達さんは?――
 
伊達さん:伊達芽依です!私は、国際関係学部の3年生で、テニスは5歳ぐらいからずっとやっています。高校・大学とスポーツ推薦で進学しました。
 
――志賀さんは一般入試組、伊達さんはスポーツ推薦組なんですね。――
 
志賀さん:はい、うちは割合的にはスポーツ推薦の部員が多いですね。部員はで男子が29人、女子が13人です。コーチは、テクニカル担当コーチ、メンタル担当コーチなど含めて8人です。
 
――タックルを指示するコーチはいらっしゃらないんですか?――
 
志賀さん:いないです笑笑笑
 
――本日は、亜細亜大学テニス部の日々の練習や目標。志賀さん、伊達さんの個人としての夢や目標などもお聞きしたいと思います。――
 
志賀さん:はい、宜しくお願い致します。
 
――部の活動のペースはどのくらいですか?――
 
志賀さん:練習は、週6日で1日オフとったサイクルです。平日はトータル4.5時間トレーニングします。練習メニューについては、現状の課題や、解決すべきことの方向性は、コーチが決めてくださります。ただ、細かな練習内容自体はほとんど部員が決めています。
 

 
――自分で練習メニューを考えるという話は、他の競技でもたまに聞きますね。自主性を育む狙いがあるみたいですね。――
 
伊達さん:そうですね、うちは監督が「自分で考えるべき」という考えをもっています、答えはくれないですね。
 
――監督は何歳ぐらいの方なんですか?――
 
志賀さん:来年、60歳になりますね。でも、若くてバリバリな方です(笑)
 
――テニス部で、お二人が自主性を発揮した代表的なエピソードはありますか?――
 
志賀さん:そうですね、自分はマネージャーなので、運営側で自主的に動くことが多いです。というのも、やはり選手の比率が多いチームですので、運営に手が回らなくて。特に、代替わりの引継ぎが甘いという課題がありました。なので、一気に引き継ぐのではなくてタイムリーに引き継いだり、データで残したりなど工夫しました。
 
伊達さん:私は、コーチからの情報伝達を意識しました。部員の中には日本代表になるような者もいて、その人にコーチが付きっ切りになったりする時があるので、ちゃんと指導内容が全員に行き届くように「今日こんな指導してたよ、こんなアドバイスしてたよ」みたいなのを伝えるというのを意識しました。情報共有でいうと、選手たちで情報共有会や反省会を開催しております。
 
――自分達で練習メニューを考えたり、MTGをしたりというのは、高校時代には無かったのではないですか?――
 
志賀さん:練習メニューを考えるのは、高校の頃からやっていたのですが、質が違いましたね。
 
伊達さん:「机の上での練習」は高校時代には無かったです。亜細亜大のテニス部では、テニスの本を読んだり、ビデオを観たりしてレポートを書くというのを行っています。それを踏まえて、目標を定量的に出しています。
 
 

テニス部なのにキャッチボール?

――今、志賀さんから質が違ったという話も出ましたが、何か特殊なオリジナルの練習はありますか?――
 
志賀さん:キャッチボールや速球を投げる練習をやっています。
 
――キャッチボール? 野球のキャッチボールですか?――
 
志賀さん:はい。これは運動力学を専攻していたコーチが考えた練習です。野球の投げる動作と、サービス・スマッシュの動作が運動力学上では共通しているみたいなんです。良いフォームで速い球を投げると、サービス・スマッシュも速くなるそうなので、ウォーミングアップで毎日投げる練習を取り入れてます。球速は、男子は110キロ、女子は90キロが目標値です。
 
――女子もやるんですね?――
 
伊達さん:はい、女子は半分ぐらいが90キロ超えてますね。
 
――凄いですね笑 練習かなりハードみたいですが、途中で辛くなったり、辞めたくなったりしませんでした?――
 
志賀さん:僕の場合は、入部したての頃が辛かったです。出身の高校が強豪校というわけではなかったので、亜細亜大の練習は大変でした特に最初の二カ月は。着いていくのに大変でした。ひたすら根性で乗り越えました。必死に練習しました。
 
――伊達さんは、いかがでしたか?――
 
伊達さん:私も、もちろん大学の練習は大変でした。ただ、大学に入り実際に試合で自分のプレーが出来ない、武器が出せない時期が一番辛かったです。その時に自分の選手としての長所・短所を洗い出しました。私は足が遅いのが短所なんですけど、試合中に相手の体の向きで球を予測したりなどして対処しました。

 

常に高い目標を掲げる

――かなりハードにトレーニングされているとのことなので、部としての目標は非常に高いのでは?――
 
伊達さん:そうですね、コーチがよく仰っているのは、「世界で戦える選手になる、全日本選手権に出る」これを目標にしようと。今まで自分が目指していた目標より高い所を目指すことになりました。
 
――大学選手権で優勝!ではなく、もう一歩先の高い目標をめざしているんですね?――
 
志賀さん:はい、実際に団体としては男女共に大学チャンピオンになった代もありましたし、あとは個人として去年の全日本選手権で4位になった部員がいます。過去には全日本選手権の優勝者も排出しています。
 
――凄いですね!高い目標を掲げて、そこに到達しているんですね。では、お二人の個人としての目標は何ですか?――
 
伊達さん:私は、今年の4月にある地区大会の本戦に出ることが目標です。ずっとそれを目標にやってきました。
 
志賀さん:自分は、「選手がテニスに集中できる環境のベースを作る」ことが目標です。システム作り等ですね。選手は大学生としては凄いことをしていると思うので、その環境を整えていきたいです。
 
――志賀さん、凄く熱い思いで頑張ってらっしゃるんですね。志賀さん二世じゃないですが、下の世代で同じ様に運営を引っ張る後継者はいるんですか?――
 
志賀さん:それが、いないんですよ(笑)例年、テニスをしながら運営をしてという難しい状況なので、マネージャー専任の人が欲しいですね。。。新1年生でマネージャーの子が入ってくれるように声をかけます。実際、この部活は考えることが多いので成長できる環境だと思うんですよね。
 

監督・コーチとの思い出エピソード

――高い目標を持って日々の練習も運営も頑張ってらっしゃるとのことですが、皆さんを支えてくださる監督・コーチの方のとの思い出のエピソードはありますか?――
 
志賀さん:僕あります!(笑)
伊達さん:私もあります!(笑)
 
――お!(笑)、じゃあまずは志賀さんから。――
 
志賀さん:あの・・・選手を辞めてマネージャーになった時なのですが、部の運営をしたかったのと、自分の将来の夢の為の時間が欲しかったという背景があったんですね。それを監督に告げる時に、選手として4年間テニスを全うしないことを怒られると思ったのですが、受け入れてくださって、応援してくださりました。その時のことが一番心に残ってます。
後で知ったのですが、大学・監督共通の教育方針で「学生の個性値を伸ばしたい」というのがあるみたいで、あの時受け入れてくださったのは、いわば僕の「個性値を伸ばしたいです」という意思を尊重してくださったのかなと思って。
 
――メチャメチャ良い話ですね! 格闘ゲームとかで能力値を出す時に使う五角形のレーダーグラフで言うと、満遍なく良くしようではなくて、何か突き抜けた能力・個性を身に着けようってことですよね。――
 
はい、本当に頭があがらないですね。
 
――伊達さんの監督・コーチとの思い出は?――
 
伊達さん:はい、大学1年生の時なんですが、プロテニスの試合の審判台に乗るという機会があったんです。ただ、自分は審判は初心者だったので、一球の判定に生活が掛かっているプロテニスプレイヤーの判定を自分がしたくないと凄く駄々をこねたんですね。その時に、コーチが「プロの為だけにある大会じゃない、学生を育てる為でもある、失敗する為にある大会だから、責任は俺がとる」と仰っていて。あとは「誰でも最初は初心者だから」と仰っていただいて。。。その言葉が今日までの学生生活にも影響を与えていて、「まずはやってみよう」と思うようになった出来事でした。
 
――そんな経験があったんですか。――
伊達さん:はい。皆、必ず一話ぐらい監督・コーチとのエピソードがあると思いますね。
 
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